西湘歯科医院

2014年3月

「この治療だけは避けたい、究極の選択」
前回の話題の中に、手に付いたうんちを舐め取る認知症のお年寄りがいると書きましたが、 今回はそんな程度じゃありません。こうご期待。
人間に限らず動物は生きていくために食べなければなりません。 食べてもいい物か良くない物か判断しなければなりません。
皆さんはそれをどのようにして判断していますか。 レストランで出されるメニューは安心して食べられますね。 それは経験によって大丈夫だという信頼があるからですが、 自分で料理するときも火を通せば安心です。 生ものの場合は賞味期限を気にしますね。それでも食べる前には匂いを嗅ぐでしょう。 怪しいと思ったものはちょっと味見をしませんか。 舌で感じる味覚には敏感なものと鈍感なものがあります。 体に必要なものには鈍感で不必要なものには敏感なのです。 エネルギーになる甘い物には鈍感ですが、体に危険な苦み、渋みには敏感なのです。 舌や鼻で体が必要としているものを判断しているのですね。
では風邪とかで鼻が利かない、味がわからない場合はどうしますか。 今まで食べたことがないものは避けませんか。
認知症になると目の前の物が食べ物かどうかわからなくなることがあるのです。 赤ちゃんと同じと考えるといいかも知れません。
もともと大腸菌はからだにいる常在菌なので本来悪いものではありません。 夏、海開きの時期に海水浴に適するかどうか大腸菌の検査で判断しますが、 これは大腸菌が危険なのではなく、大腸菌が検出されるなら他の菌もいるだろう という判断によるものだそうです。 といってもうんちはうんち、決して食べようとは思いません、犬は食べますが。
腸内細菌にも善玉、悪玉というのがあってそのバランスが崩れると 便秘、下痢、軟便等に なるんだそうです。
※次号をお楽しみに！！

2014年4月

「若い女性のやせすぎが日本を滅ぼす」
今月は真面目な話題、いやいつもまじめに書いてはいるつもりなんですが。
神奈川県保健福祉大学　栄養学科教授　山本妙子先生のお話を聴いてきました。
歯科医院の治療の中で、抜歯は日常よく行われる行為ですが、 骨粗しょう症の薬を服用されている患者さんでは、1000人に3人の割合で 抜歯後に骨が腐ることがあります。
内科医にしてみれば必要に迫られて骨折を防ぐためにだすのですが、 感染後の回復が遅くなる事があります。
その薬をのまずに済むには骨粗しょう症にならなければいいのですが、 歳だからしょうがないと思ってはいませんか。 骨粗しょう症の予防には骨の量を増やせば良いのですが、 骨量のピークは女性の場合19歳なんです。後からどんなにカルシウムを摂っても それ以上に増えることはありません。 従って19歳までにいかにカルシウムを多く取り込むかが鍵になります。 そんな大事な時期に無理なダイエットをすると、骨の中のカルシウムの 絶対量が少なくなり、その後は減る一方になります。
30代で骨粗しょう症も夢ではありません。 50代では1日中寝て暮らせるようになるかもしれません。 もしヘルパーさんにくそくらえと言われても、食べないで下さい。
過度のダイエットによって低栄養、低体重になりますが、その女性が妊娠すると お腹の赤ちゃんも栄養不足による低体重になります。 お腹の中でもう生活習慣病の予備軍になり、それは生まれてからも 改善されないのです。お腹の中で飢餓状態だと、生きるためにとにかく 栄養を貯めようとします。 その体質は生まれてからも変わらず、他の人よりも余計に蓄えようとするので、 結果として肥満になります。親のせいで子供が苦しむ、親の因果が子に報い、 ということになってしまいます。
では、骨の中のカルシウム量を増やすにはどうすればいいのでしょうか。 乳製品が良いようですが、小松菜にも多く含まれています。 いろんな食品をバランス良く食べれば不足することは無いようです。 日本では栄養のバランスがいい給食があり子供の栄養摂取に大きな貢献をしています。
皆さんは朝食を摂っていますか。朝食を食べる子供は、食べない子供より ペーパーテストの成績が良いという結果が出ています。 朝ご飯を食べるには、早く起きなければなりません。 早寝、早起きが規則正しい生活習慣につながり、それが結果として学習面に 良い影響を及ぼすと考えられています。
朝ご飯を食べない理由には、時間がない、お腹がすいていないなど 夜更かしによるものが多い中、朝ご飯が用意されてなかった、というものもあり、 どうやら親も夜更かし、親の因果が子に・・・・・・・。
骨の量は歯を支える顎の骨にもあてはまります。 歯周病で歯を失いやすくなりますが、歯が無くなるという事は 野生動物では死を意味することです。
人間だから生きていけるわけです。本当は、「おまえはもう死んでいる」
※次号をお楽しみに！！

2014年6月

「肺の汚れは歯胃の汚れ？それとも・・・・・」
先日、「歯と健康を守る集い」が開催されました。
今回はその話題を・・・・くさい話を期待した方はごめんなさい。 やっと国も、口腔衛生状態が良くなると他の病気にも良い影響をおよぼすということがわかってきたようです。
簡単に言えば、口の中がきれいになれば、他の病気の医療費が 少なくてすむということですが、 国の方針により県が動き、その次に市が動く、その催しが今回のものです。
会場では、口臭測定、唾液の中の虫歯菌の多さ、血管年齢測定、肺の綺麗さ測定、糖尿病用の食事指導、歯の相談、血圧測定、歯科医師会会員名簿等、歯に関する話題が中心で、 まさに歯に関心をもってもらうためのイベントでした。
で、私は何をしていたかと申しますと、歯の相談、他のコーナーは若い市役所の女性職員が担当してくれました。 ここ大事！
なかでも一番人気は口臭測定、並ぶ人ができるほどの盛況でした。 歯の相談はというと、閑古鳥が・・・・・・。 口臭測定で悪い結果が出たのでどうすればいいでしょうか、という相談が多かったです。 やはりビジュアル的に劣るおっさんがいるコーナーは人気がないものです。 口臭の原因については、以前のつぶやきをお読みのかたはよく御存じかと思うのでここでは割愛させていただきます。
午後からは昔綺麗だったらしい歯科衛生士が替わってくれたので、ほかのコーナーをひやかしに・・・・・。
まず口臭測定、セーフ！口臭予防の話をする立場上口が臭くて は説得力にかけますわな。 続いて血管年齢、歳相応、うれしくもなんともない。肺のきれいさは・・・・・えっ、すこしきたない？ なんで？タバコ吸わないのに。部屋が汚いことしか理由が思い浮かばない。
あるいは他の理由が・・・・・あれか！午前10時から午後3時までだったので、それでもそこそこの市民の方がお越しになり、お土産、記念品を手にされていました。
そうです、この手のイベントでは何かしら お土産がつくので、皆様、次回からはぜひ参加してくださいませ。もし測定結果があまりよくなくても、体調によってばらつきが出ることがあるのであまり気にすることは ありません、と言ってもらえますよ。
追伸、自分の肺の測定の時、おもわず、肺の汚れは心の汚れかなあ、とぼそっと言ったのを 真に受けた方、冗談ですよ、ごめんなさい、誰っ！、うなずいたのは？
※次号をお楽しみに！！

2014年10月

「抜いたほうがいい場合もある」
例えば抜かなきゃいけない歯があるとします。
でも、痛くない場合、抜かせてくれるケースの方が少なく、半分以上の患者さんが、 「とりあえず、このままで」「痛くなるまで使います」「また今度」といって抜かせてくれません。
我々歯科医師は、抜かなくてもいい歯を抜きはしませんが、「なんでもなかったのに抜かれた」という話をよく耳にします。なぜでしょうか、それは患者さんが納得せず、 言われるままに抜いたからです。なぜ、痛くないのに抜かなくてはいけないのでしょうか。
抜かなくてはいけない歯、それは残すと体に悪い歯です。 歯がばい菌に感染しているので、残すと周りの骨が感染するということなのです。 その結果、骨が無くなり歯ぐきの土手が無くなり、入れ歯が安定せず満足に噛めません。
我々歯科医師はそんなケースを山ほど知っているので、そうなる前に抜歯を勧めるのです。 先日、本来抜かなくてはいけない歯を抜かずに、延々と先延ばしにしたケースがありました。 結局抜いたのですが、周りの骨は無くなり入れ歯は安定しません。
そこで一言、「先生、この入れ歯、一生もちますか？」患者さんと我々歯科関係者との温度差を感じた瞬間でした。
保険の入れ歯は作ってから半年経てば新調できます。 言い換えれば、半年しかもたないよ、ということです。 場合によってはそれ以下の事もあります。被せ物で2年間です。
保険の詰め物、被せ物が良いところは安いということだけです。 色、虫歯のなりやすさ、適合性、アレルギーへの耐性、耐久性等、保険の材料は値段以外はすべて劣ります。それに何回も何回もつくりなおしはできません。 そうして結局歯を失うことになるのです。
歯だけでなく骨も失っては入れ歯もインプラントも安定しません。 せめて骨が無くなる前に対策を取らないと、そのうちお金を出しても回復不能となってしまいます。 実はこの考え方、歯科医師の中でも二つに分かれます。
インプラントができる歯科医師は骨の事を考えますが、そうでない歯科医師は骨を保存するという考えはしません。
できるだけ自分の歯を残すという美しい響きに患者さんもうっとり、いい先生で良かった、名医じゃ、となり双方良しとなるのですが、果たしてそうはならないのは先程書いた通りです。 最期に一言、歯科関係者（歯科医師、技工士、歯科衛生士、歯科助手）は自分の治療の際、保険の材料は使いません。 保険診療で歯は救えないということを知っているからです。
それでもそんなに治療費はかけられないという方には、歯を長持ちさせる方法がひとつだけあります。それは今まで何回も言ってきたブラシの使い方です。 保険の治療の場所は虫歯になりやすいところなので、特に気を付けましょう。 ズバリ、自己流では無理です。
※次号をお楽しみに！！